相続手続きガイド

相続が発生した際、遺産分割協議の作成等に注目が集まりがちですが、実際の相続手続きは複座で大変です。不動産の名義変更、銀行預金の解約、株式や投資信託の名義変更、生命保険金の請求、相続税申告など、多岐にわたる手続きは、それぞれ異なる窓口と書類を必要とし、時間と労力を要します。司法書士の立場から、相続人が知っておくべき手続きの全体像と注意点をわかりやすく解説します。

1. 相続で必要となる主な手続き

相続手続きは、財産の種類によって異なります。


◆不動産の名義変更(相続登記)

令和6年4月から、🔗相続登記義務化☜が開始され、原則として3年以内に行うことが必要となりました。登記を怠ると、将来的な売却や担保設定が困難になるだけでなく、過料の対象となる可能性もあります。必要な書類は、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)などです。


◆銀行預金の解約・払戻し

被相続人の口座は、死亡届の提出後に凍結されます。解約・払戻しには、銀行所定の書類に加えて、戸籍謄本や遺産分割協議書が必要です。金融機関によって手続き方法が異なり、複数の口座がある場合は、それぞれの金融機関で手続きを行う必要があります。


◆株式や投資信託の名義変更

証券会社や信託銀行ごとに手続きが異なります。非上場株式の場合は、会社への連絡が必要となり、評価額によっては相続税にも影響します。


◆相続税申告

被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続財産が基礎控除額を超える場合には相続税申告が必要になります。


◆その他の財産の手続き

 ・自動車の名義変更

 ・生命保険金請求

 ・貴金属や純金積立

 ・貸金庫: 金融機関立会いでの開扉手続き

 ・年金手続き

 ・各種行政手続き

 

相続財産に関する手続きには、原則として「遺産分割協議書」が必要となります。


2. 遺産分割協議の前に必ず行うべき3つのこと

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。

一人でも欠けると協議は無効となり、最初からやり直しになります。

そのため、協議に入る前に次の3つを行います。

 (1)相続人の確定
 (2)遺言書の確認
 (3)相続財産の確定



(1)相続人の確定

相続人の確定をするためには、🔗被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本や相続人全員の戸籍☜を取得する必要があります。必要に応じて、法定相続情報証明制度を利用すれば、以降の手続きを効率化できます。

①戸籍の取得については ☞こちら

②法定相続情報証明制度については ☞こちら

 


(2)遺言書の確認

相続手続き前に、遺言の確認  をしましょう。

①遺言の有無の確認 

②遺言の内容の確認

➂検認手続きについて(開封はこの時に)


・公正証書遺言は公証役場で検索でき、形式内容不備はほぼありません。

・自筆証書遺言(法務局保管制度利用あり)はは法務局で確認、それ以外は自宅や銀行貸金庫などを捜索します。

・自筆証書遺言(法務局保管制度利用なし)は家庭裁判所での「検認」が必要です(開封は検認時)。

・検認は有効性判断ではなく、現状確認の手続きであり、有効性の判断に迷う場合は専門家に相談したほうがいいです。


遺言書の確認は ☞こちら


(3)相続財産の確定

①相続財産調査

相続財産には、不動産・預貯金などのプラス財産だけでなく、借金や保証債務などのマイナス財産も含まれます。

まずはすべての資産と負債を漏れなく調査し、内容と金額を把握します。

調査方法の詳細はこちらをご参照ください。

調査の結果、債務超過であれば相続放棄や限定承認を検討します。


②相続財産目録の作成

調査で把握した財産と負債を一覧化し、「相続財産目録」としてまとめます。

民法上の「相続財産」と相続税法上の「課税対象財産」は範囲が異なるため、両方の観点から整理することが大切です。

財産目録があると、遺産分割協議や相続税申告の判断がスムーズになります。

相続財産確定は☞こちら


3. 相続税申告の有無を判断する

*タンス預金・海外資産・名義預金・名義株、非上場株式、事業資産、死亡直前の引き出し金、相続開始前7年以内の贈与、相続時精算課税贈与など、見落としやすい財産にも注意が必要です。

上記の資産がある場合は、特に税理士と連携し申告要否の判断から申告手続きまでサポートを受けることをお勧めします。

遺産分割をする前に相続税の申告が必要かどうかを判断します。

なお、相続税の申告は原則、遺産分割協議成立後になります。

相続税の基礎控除額は

『3,000万円+600万円×法定相続人数』

で計算されます。

例えば、相続人が配偶者と子3人の場合、基礎控除額は

『3,000万円+600万円×4=5,400万円』

となります。

課税価格が基礎控除額以下であれば、申告は不要です。

ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額がゼロになる場合でも、申告は必要です。


4. 専門家に相談するタイミング

(1)税理士に相談する時期

 ●財産の概要がわかった段階で、相続税の有無を確認

 ●相続財産目録ができた段階で、相続税試算を依頼

 ●各種特例の検討や相続税申告の作成を依頼

不動産と金融資産の概要さえ把握できていれば、まずは相談。早めの対応が節税につながることもあります。


(2)弁護士に依頼すべき状況

 ●遺留分侵害請求を受けた場合

 ●遺産分割協議が紛争状態の場合

 

弁護士は依頼者側の立場で助言や代理を行うため、中立的に双方を調整する立場を取ることは難しい場合があります。

遺留分侵害額請求の場面や、遺産分割で争いが発生した、あるいはその兆しがあるときに依頼するのが効果的です。

特に紛争状態では、弁護士が代理人として交渉や訴訟を行うことで、権利保護や有利な解決を図ることができます。


(3)相続手続きは必ず必要

相続手続きは、被相続人の死亡により開始し、どのご家庭でも必ず行うべき法的手続きです。

しかし実務では、「誰に相談すればよいのか」「税理士・司法書士・弁護士のいずれが適切なのか」といった点で迷われる方が少なくありません。

税理士の選任は重要ですが、相続税申告義務が生じても、実際に納税が必要となるケースは限られます。まずは、相続登記や遺産分割協議書の作成など、不動産登記を含む法務手続に精通した司法書士にご相談いただき、財産構成や課税関係を整理したうえで、適切な税理士をご紹介する方法も有効です。

また、弁護士は原則として双方代理ができないため、紛争が顕在化していない段階や、円満な遺産分割を目指す場合には、遺産整理業務を受任できる司法書士や行政書士へのご依頼が適している場合があります。

相続手続では、民法その他関連法令による法律面、相続税法による税務面、そしてご家庭の事情を総合的に考慮し、状況に応じた専門家の選定と連携が、円滑かつ適正な解決への鍵となります。

税理士の選定は非常に大切です。ただ、相続税申告が必要でも納税まで必要な方はそれほど多くはありません。どのような税理士がいいのかを含めて、まずは最初の無料相談で司法書士に相談するのも一つの方法です。

弁護士は、原則双方代理ができず、依頼人のために業務を行う必要があるため、相続発生時点で争いが顕在化していない場合や、円満な分割を目指す段階では、遺産整理受任者としての司法書士に相談される方が適している場合もあります。

相続が開始すれば、相続手続きはどこのご家庭でもする必要があります。

円満な分割を目指す段階では、遺産整理受任者としての司法書士に相談されるのも方が適している場合もあります。


5. よくある相談と当事務所の対応

相続の現場では、次のようなお悩みを多くお聞きします。

●遺産分割すればよいか分からない

●平日銀行や役所に行く時間がない

●相続人が遠方・連絡不通

●兄弟姉妹おいめいが疎遠

●長年相続登記をしていない

●数次相続が発生した

●株や投信の相続手続が分からない

●この遺言で手続きできるの?

●相続放棄をしたい

●複数の遺言書が見つかった


全部まとめて相続手続きをお願いしたい」というご要望に、当事務所の

『全部まとめて遺産整理パック』をご利用ください。

相続に関する手続きをワンストップでサポートいたします。

初回相談は無料です。

お気軽にご連絡ください。

当事務所では、相続の初期段階から関与することで、無駄な二度手間を省き、相続登記や預貯金解約、株式・保険金請求などの手続きに加え、戸籍の収集、相続人確定、財産調査、財産目録作成、各相続人への連絡・調整、遺産分割協議書の立案、遺産分割協議の立会までをワンストップで対応する「全部まとめて遺産整理パック」をご用意しています。相続税は税理士・相続紛争は弁護士・不動産売却は不動産の各分野と連携(別料金)しながらスムーズに進めることが可能です。


7.その他のプラン

A 相続登記申請ベーシック

(費用を抑えたシンプル基本プラン)


B 相続登記申請プラス

(相続登記ベーシックに遺産分割コンサルティングを追加)


C 遺言・贈与・信託

(2次相続対策プラン)





無料相続相談

初回ご相談料はかかりません。

もちろん相談だけでも大丈夫です

TEL044-969ー2262


お問い合せ