自宅相続の選択ー7つの視点



視点➀ 相続税がかかるか

視点① 相続税がかかるか

相続税の有無によって、判断の方向性は大きく変わります。

1 相続税の申告が必要か

2 相続税がかかかるのか

   ① 相続税がどれくらいなのか

   ② 特例は使えるのか

 

の判断確認が必要です。

配偶者の場合、「配偶者の税額軽減」により1億6,000万円または法定相続分までの財産は非課税となります。さらに、自宅については「小規模宅地等の特例」により評価額を80%減額できる可能性があります。

ただし1次相続だけの負担を考慮して、配偶者に残すのがいいとは限りません。将来の相続(二次相続)や譲渡税の税負担や、配偶者の判断能力、配偶者や家族の希望も含めて判断することが重要です。




視点➁ 配偶者がいくら持っているか

視点② 配偶者がいくら持っているか

一次相続(現時点)と二次相続(配偶者死亡時)で、どちらが税務的に有利になるかは、配偶者の保有資産や収入状況によって変わります。1次、2次相続税の有無、相続税がいくらかかるの把握しましょう。

配偶者がすでに十分な金融資産を持っている場合は、財産をさらに増やすことで二次相続時の税負担が重くなる可能性があります。

一方、長生きされる場合に備え、生活資金を確保する意味で配偶者に自宅を残す選択もあります。

注意点として、配偶者は自分の財産をあまり話したがらないことも多く、全体像を把握しにくい場合があります。


視点➂ 不動産取引価格がわかっているか

視点③ 現状の不動産取引価格がわかっているか

相続税だけではなく、おおよその譲渡税の有無を含めたトータル税負担額を確認するのが公平な分割をするうえでは、大切です。

・相続後に自宅を売却する予定がある場合、現在の市場価格を把握することは不可欠です。

・売却価格が取得費を上回れば、譲渡所得税が発生します。

・当面売却をしなくても、遺産分割方針の決定をするために不動産価格の確認が大切です。

・価格査定は不動産業者から取り、現実的な相場を確認しておくと安心です。


視点④ 空家特例を検討しているか

視点④ 購入(建築)価格がわかるか、いつ建物を建てたか

譲渡所得税の計算には、購入(または建築)時の価格が必要です。価格が不明な場合は「概算取得費」で計算され、税負担が大きくなることがあります。

また、いろいろな要件はありますが、建築年月日が昭和56年5月31日以前の建物には「空き家特例」が使える場合があります。譲渡税がかかる場合、最初に確認した方がいい事項となります。


視点➄ 配偶者の終のすみ家か

視点⑤ 配偶者の終のすみ家か

配偶者が最期まで住む予定の住まいかどうかは大きな判断材料です。

将来、判断能力が低下した場合には、不動産の売却や管理が難しくなるため、信託や生前贈与(特に相続時精算課税贈与)などを活用する方法もあります。

また、居住用財産の譲渡特例や空き家特例は、居住用財産の譲渡特例や空家特例など売却時期や配偶者の死亡の前後で適用条件が変わるため、事前の計画が必要です。


視点⑥ 配偶者が亡くなったら自宅は?

視点⑥ 配偶者亡きあとの方針が決まっているか

配偶者が亡くなった後、その自宅を子供の誰が取得するのか、売却するのか、共有なのかを事前に検討しておくべきです。

共有名義には意思決定の難しさや管理負担といったデメリットがあります。自宅の相続は共有にしない方がいいというのが定説ですが、換金予定が近い場合には合理的な方法となることもあります。

売却時期や方針をあらかじめ家族で話し合っておくことで、相続後の混乱を防げます。


視点⑦ 子供の意向は一致しているか?

視点⑦ 現状での子供たちの考えを知っているか

子供たちの想いを知っていると、将来の争いを避けることができます。

贈与や遺言などの生前対策に反映できるため、思い込みではなく、実際に話し合うことが重要です。

ただし、現在の考えが将来も同じとは限らず、家族構成や生活状況の変化で意見が変わることもあります。そのため、定期的な確認が望ましいでしょう。


なお、

子供と音信普通、親子の確執、子供同士の考えがバラバラということもあると思われます。それが悪いということではなく、その状況を踏まえ、今回の自宅の相続を誰に相続した方がいいのか検討することが大切です。


まとめ

最後に

正解を判定するのは難しい。

それぞれのご家庭ごと課題と解決策は違います。


相続のベストは変数。

ベターな案が最適解だったりします。


これが30年相続をやって何となく感じていることです。


優先順位とバランス感覚を大切に!




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相続相談は初回無料です


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(ご参考)遺言・贈与・信託2次相続対策

親御さんが亡くなった際、配偶者が自宅を相続すると、次は配偶者が亡くなった時(2次相続)に再び相続が発生します。

このとき、事前に準備がないと、自宅の売却や分割で家族が揉める原因となったり税負担が思った以上になりがちです。


自宅の「2次相続」対策のポイント

遺言で次の相続先を明確にしておくことが基本

生前贈与を活用すると、将来の所有権移転がスムーズ

●柔軟な資産承継を可能にする信託の活用も有効

財産管理契約や判断能力低下に備えて任意後見契約を結んでおくと安心


「今はまだ早い」と思っても、2次相続対策は元気なうちから始めるのが理想です。

法的手続きは当所がトータルサポートします。

税理士と連携して対応いたいします。

当事務所では、家族構成やご希望に合わせた最適な2次相続対策プランをご提案いたします。