相続税と遺留分侵害請求の不動産時価

相続税、遺留分侵害額ともに

相続開始時の「時価」を基準に財産評価します。

遺留分とは、相続人に保障される最低保証です。

請求してはじめて認めれらる権利です。

第３順位の相続人である兄弟姉妹（おい、めい）

に遺留分はありません。

相続税の不動産の時価は、

原則、土地は路線価、建物は固定資産評価額　　

をベースに計算します。

（倍率地域の場合は土地固定資産評価額×所定倍率）

路線価は公示価格の約８割程度です。

なお、路線価で評価した価格が高くなってしまい、

実勢価格とあまりにも乖離している場合は、

不動産鑑定士による鑑定価格を採用する

こともあります。

一方、遺留分侵害額を計算する場合、

合意があれば、

公示価格でも

路線価（公示価格の約８割）でも、

固定資産評価（公示価格の約７割）でも、

実勢価格（≒公示価格～×1.1程度）でも

問題ありませんが、

通常遺留分の話になったときには、

合意をとりつけることは難しいので、

鑑定価格（又は実勢価格）になります。

遺言を書く場合、

最悪、遺留分侵害請求をされることは

想定しておかねければいけないので、

実勢価格のチェックは忘れずにしましょう。

たとえば、相続財産が

とあるマンションだけの場合で、

資料を揃えたら、

相続税評価額は１１００万円、

実勢価格は２５００万円でした。

相続人が子２人で

一人が遺言で全部もらう場合、

遺留分侵害額は、

２５００万円×１/２×１/２

=6,250,000円です。

誤って相続税評価額で計算した場合の

遺留分侵害額は

１１００万円×１/２×１/２

=2,750,000円です。

相手から請求されうる金額が

約350万円違いますね。

不動産価格はその用途によって

違いが生じる場合があるのでご注意ください。

また、弁護士の先生をお願いする場合は

弁護士費用もかかりますので、

その辺も忘れずに。

というお話でした。

不動産をお持ちで

遺言を書く時には

時価って大事ですよ。

と呼びかけている

司法書士田中康雅事務所は

川崎市麻生区万福寺にあります。

参考

５分でわかる相続税土地評価

公示価格と路線価の関係

建物価格

納税通知書と相続税