遺産分割の後、遺言発見。どっち?
「配偶者と前妻との間の子が、
相続財産を換金し、各2分の1ずつ取得する」
という遺産分割。
なんとか相続人全員署名、実印を押印。
相続登記、売却手続きも無事終了。
めでたし、めでたし。
ところが、
しばらくたって被相続人の部屋の隅っこから、
遺言書を発見!
「全財産は、配偶者へ」
遺言者の最終意思を尊重しよう。
という趣旨から、
原則は、遺言は遺産分割協議に優先します。
ただ、
相続手続きがすでに終わってしまっています。
相手も遺産分割の無効に応じないかもしれません。
また、
相続人全員が同意していれば、
一定条件のもと、
遺言と異なる遺産分割も有効。
との判例もあります。
まあ、それはあくまで遺言の存在を
相続人全員が知っていての話ですが。
やはり裁判しか・・・
遺産分割が有効か無効かの争いになったら、
「要素の錯誤」があった場合、
つまり、
重要な部分について真意と異なる意思表示
をしてしまった場合、
遺産分割は無効です。
遺言の存在を知っていたら遺産分割をしなかった。
そんな遺産分割は、
「要素の錯誤」があったとして無効。
遺産分割の後、遺言が発見されたら、
遺産分割が無効の可能性が高い。
ただ、
一旦有効として手続きしたものを
無効にすることは大変な労力が伴います。
遺言は、遺産分割に優先するので、
遺言があれば遺産分割協議をすることなく、
相続手続きができます。
(あとは遺留分侵害請求の話)
遺言と異なる遺産分割もできます。
ですので、
遺産分割協議をする前に、
「遺言があるかないかを確認しましょう」
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