相続開始後の故人名義の預金引き出し(相続税編)~アメブロ「ゆる相続のすすめ」


「お父さんの死亡後預金を引き出しました。

「大丈夫でしょうか」

よく質問されます。

故人の預金は、死亡の事実を金融機関が把握しないかぎり自動的に口座凍結されることはありませんので、相続開始後の引き出しの是非は別として、相続人が引き出せてしまう場合があります。実際引き出してしまった場合は、「そのままとりあえず保管しておいてください。もし、引き出した現金をすでに使用してしまった場合には、相続人間でのトラブルにならないように領収書、明細等資料をとっておいてくださいね。」とお話ししています。

ここからは相続税。

結論から言うと、相続開始後の預金の引き出しに税務署は、基本的には関心はありません。なぜかと言うと、相続税の場合、 課税対象となる遺産の取得時期は相続開始の時だからです(相続税法基本通達1-3・1-4共8参照)。


たとえば、

相続開始時預金残高が300万円だった場合で、その後相続人が120万円を引き出し、そのまま使ってしまった場合でも、相続税上の預金の取得価格は300万円となります。相続開始後預金をいくら引き出しても相続税上の預金取得価額は相続開始時の残高のまま変わりません。

もっとも、相続開始後、預金を引き出して故人の未払金の支払いに充てた場合債務控除となりますが、相続税の計算上マイナスにできる局面ですので、税務署というよりはどちらかという納税者が気にする局面になろうかと思います。


なお 、あくまで概括的な考え方ですので、個別具体的なことについては、税理士の先生又は税務署にご相談してください。 


相続開始後の預金引き出しで悩んだらの

川崎市麻生区新百合ヶ丘・稲城市の

司法書士田中康雅事務所がお届けしました。   

司法書士田中康雅事務所|相続登記・遺産整理・生前対策(川崎市麻生区・新百合ヶ丘)

川崎市麻生区・新百合ヶ丘の相続特化司法書士事務所。 相続実務30年・『3訂版 相続相談標準ハンドブック』(日本法令)共著。 法と税(税理士連携)に加え、生活と家族の想いを踏まえ、4方向から円滑な相続を支援。 遺言・贈与・信託・生前対策・不動産売却まで総合サポート。

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