2026年6月 司法書士所感「相続の、道しるべでありたい」
相続は、「全部おまかせ」できれば安心、とは限りません。そんなことを、このごろよく考えています。
こんにちは。司法書士の田中康雅です。 最近は、相続の手続きを一式お引き受けする「相続パック」のようなサービスを、あちこちで見かけるようになりました。忙しい方やご高齢の方にとって、窓口がひとつにまとまるのは、ありがたいことだと思います。当事務所にも「全部まとめて遺産整理」という、相続全体をお引き受けするプランがあります。 ただ、これは何でも盛り込む“パック”ではありません。必要なことを、必要なぶんだけ。相続全体を、最小限、代わりに行う。そういうプランです。ご自身でできることは、ご自身の手で進めていただいてかまいません。その方が、長い目で見て、ご家族のためになると思っています。
マクドナルドの「逆」だと思う
マクドナルドは、セットで頼むと、単品を合計するより安くなります。ふつう、まとめればまとめるほど、お得になるものです。 ところが相続をはじめ、士業の料金は、なぜか逆のことが起こりがちです。以前は当所もそうでしたが、「パック」「おまかせ一式」になるほど、中身が見えにくくなり、料金もかえって高くなる傾向がある。これはどうしてだろう。そう考えたことが、当事務所の料金を見直すきっかけでした。 そもそも相続は、同じ家族が二つとありません。ひとくくりの「一式」になじみにくいのも、そのせいなのかもしれません。
AIが「作業」を担う時代に
登記や申告の「できる部分」は、これからAIやオンラインの仕組みで、ますますやりやすくなっていくでしょう。書類を作る、調べる、整える。そうした作業を抱えていることが専門家の値打ちだった時代は、静かに変わりつつあると感じています。 これからの私の役割は、「全部やる人」ではないのだと思います。
どこに分かれ道があるのか。
何を先に決めるべきか。
家族の気持ちを、どう整えるか。
それを示す「道しるべ」でありたい。
法と税だけでは、相続は整わない
三十年あまり相続に携わってきて思うのは、相続でこじれることの多くは、法律でも税金でもなく「気持ち」だ、ということです。 長く学ばせていただいているアルファ野口(野口塾)の「相続は心のコンサルティング」という言葉を、いつも胸に置いています。法と税をそろえ、そこに暮らしと想いをそえる。その全体を見渡せる人が、ご家族のそばにいる意味があると思うのです。
「あ、大丈夫かもしれない」
だから当事務所では、できることはご自身の手に、難しいところは専門家集団で。手続きで完結する作業は、できる限り明瞭に、定額で。専門的な知識やネットワークを使う部分は、着手の前にきちんと料金をご提示し、ご納得いただいたうえで進めます。追加をお願いする場合も、事前に理由と金額をご説明し、ご理解・ご納得いただいたうえでのお願いとなります。あとから、曖昧に膨らむことはありません。 まだ何も決まっていなくて構いません。「何が問題なのかも、うまく言えない」という段階からで構いません。きちんと整理すれば、道は見えてきます。落ち着いて、一つずつ進めれば、何とかなる。要は、考え方なのだと思います。
必要なときに、「あ、大丈夫かもしれない」と思っていただける存在でありたい。
そんな相続の道しるべで、ありたいと思っています。
当事務所の料金の考え方は料金のご案内に、相続全体をお引き受けするプランは全部まとめて遺産整理の記事にまとめています。
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