2025年初夏司法書士所感「相続税・相続登記はご自身での時代」
相続税の申告って結構大変ですよね。
基礎控除額はそのご家庭ごと違いますが、相続財産が基礎控除額を超えている場合は相続税の申告が必要となります。
法定相続人3人(例えば配偶者、子2名)の場合の基礎控除額は4800万円です。
仮に相続財産が5300万円の場合、
課税相続財産が1000万円まで(今回は5300万円-4800万円で500万円)は法定相続人の構成や人数が変わっても相続税率は10%です。
この場合の相続税総額50万円(500万円×10%)です。
相続税申告が必要ですね。
さて、相続税の申告ですが、
相続税の申告=税理士に依頼となると思いますが、
上記資産状況ですと、税理士の先生に依頼すると報酬が33~50万円くらいですかね。
(具体的報酬は必ず税理士にご確認ください)
う~ん悩ましい。
被相続人の居住していた土地は、一定の要件に該当すれば
小規模宅地等の特例といって、
330㎡まで8割減額できます。
配偶者が相続すれば大抵要件は満たすと思います。
ただ、相続税の申告は必要です。
減額後の相続財産合計が基礎控除以内であれば、
相続税はかかりません。
上記法定相続人が3名(配、子2名)の例で、
相続財産全体でが6800万円(内、被相続人の自宅不動産3000万円を配偶者が相続)の場合、小規模宅地特定適用後の相続財産合計は4400万円(自宅土地評価は8割減額の660万円)となり、
課税相続財産4400万円-基礎控除4800万円≦0
相続税の申告は必要だけど相続税はかからない。
この場合の税理士報酬は50~70万円くらいですかね。
(具体的報酬は必ず税理士にご確認ください)
申告をして税金はかからないけれど税理士の報酬が発生。
だったら自分で申告しようかしら。
って考えるのはごもっともな話。
まずはご自身でも簡単なシミュレーションが利用してみてはいかがでしょうか。これが使えるようでしたらご自身でもなんとか申告できそうな気はします。
居住用マンションについては、
令和6年から評価方法が変わっていますのでご注意ください。
最近では、
ご自身で相続税申告ができるサポートサイトが多くなってきました。
たとえば「AI相続」で検索してみてください。
相続税の申告はできるなら自分でやってみてもいいのでは。
って気はします。
ただし、
ご自身で計算と申告書が作成できればいいかというとそうではない場合もありますね。
ご参考までに、相続税申告をご自身でするのが難しい場合がある一例を挙げておきます。
・故人の財産を把握していない。
・故人の生前の入出金が説明できない。
・名義預金、名義株の可能性がある。
・会社経営、個人事業を行っている。
・不動産評価が複雑。
・小規模宅地等の特例の適否がわからない。
・居住用マンションの評価がわからない。
・申告資料を揃えることができない。
・生前に贈与が行われている。
・相続時精算課税贈与を行っている。
・海外資産、暗号資産等保有している。
・配偶者の資産が多い。
・2次相続で小規模宅地の特例が使えない。
などなど。
相続税に関する個別具体的な相談はできませんが、
どんな方が税理士に依頼して、
どんな方が自分で相続税の申告をしたかの
経験論はお話しできると思います。
そんなお話をしていると
私いとっしょにやっている税理士の先生で
お願いします。
って感じになることが結構あります。
ご自身でできない場合、税理士にお願いすればいいわけですから。
これからの時代は、相続税がかかるかどうかも大事ですが、
相続税が申告が必要な場合で自分で申告する。
って方が結構増えるんじゃないかなって思います。
今のお話は相続登記にも言えることです。
これからの時代は、相続登記はご自身でってなっていくと思います。
おそらく相続登記義務化でその流れは、加速するでしょう。
税理士や司法書士はいらなくなってしまうのでしょうか。
AIを使って比較検討はできるようになりました。
いろいろな制度も瞬時にわかるようになりました。
相続税の申告業務、相続手続、相続登記業務は、いずれ相続附属業務へとなっていくと思います。
今後、近いうちに自宅を売却する場合には、
相続税だけでは判断しないほうがよく、
生前では居住用不動産特例、死後では空家特例等譲渡税のからみがでてきます。
会社や事業をやっていれば事業承継の問題もでてきます。
税金だけではありません。
・相続人の想い、価値観の違い、多様性
・判断能力問題
・家族環境等の変化、
・相続人間の関係希薄化
・お一人様相続、兄弟甥姪相続の増加
により、専門家の法的、人的サポートが必要な場面がきっと増えるはずです。
また、
相続税申告が自分でできるから税理士に相談しなくてもいいやとか、相続登記は自分でできるから司法書士の依頼しなくてもいいや、と思っていても、実は、皆さんが気づかない点を税理士や司法書士がアドバイス、サポートをしてくれる場合があるはずです。
AIで調べて得た知識を
「じゃ、私の場合、具体的にどうしたらいいの?」
の現状最適解を見つけるためには、時には経験と知恵や千里眼も必要です。
そういった意味では、専門家を活用するというのはあと10年はなくならないんじゃないかなって
思っています。
1次2次相続相談、とりあえずの相続相談窓口
麻生区新百合ヶ丘稲城市
司法書士田中康雅事務所
追伸です
以下は2006年09月25日livedoorブログです
約20年前のものです
当たっているものもありますね。
相当先(僕がおじいさんになるころ)の相続手続き予想。
・相続税法上の不動産価格は誰でも算出可能
・相続人の特定はコンピューターで判断
・相続登記はボタン1つで申請可能
・相続争いの減少
→少子化、核家族化により、換金均分相続が浸透。
(誰も住まないから。私が死んだら、この家を売って平等に分けてね。)
・高収益物件だから、証券化? 信託? 金融商品に早がわり。
・こんな無価値な不動産なんていらない。
・お墓なんて知らない。法要?
・40年以上たったマンションもらっても・・・。
・子供に残すものは何もない。
僕らの世代が亡くなるころには、どうなっているのだろう。 なにげなく思ったことを書いてみました。 今日限りの予想です。すぐ、予想はかわります。(かわっても書かないと思います)~
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